楽土の幻

2014年に史文庫~ふひとふみくら~の唐橋史さん主催で発行された『日本史C』というアンソロジーがあったのですが、そちらに寄稿した小説です。Web再録的な感じでこちらに格納します。

~登場人物と少しの補足~
中臣鎌子……中臣鎌足のこと。作中で改名しています。彼が鹿島の神官の子であるというのは『大鏡』などに見える伝説です。

軽皇子……後の孝徳天皇。中大兄皇子の叔父に当たります。

中臣真人……鎌足の長男。出家して定慧と名乗ります。今作では、彼が上宮王家(聖徳太子の一族)の生き残り、弓削王であるというフィクションを展開してます。彼の

出家と渡唐については、その年齢も併せて謎が多いです。

中臣史……後の藤原不比等。彼が中大兄皇子とその同母妹の間人皇女の子であるという設定はフィクションですが、藤原不比等は中大兄皇子の落胤ではないかという伝説は様々な史料に登場します。

伝説に基づいたフィクション多めの小説ですが、お楽しみ頂ければ幸いです。

 

続きを読む