『とはずがたり』のこと

光文社古典新訳文庫から出ている、佐々木和歌子訳『とはずがたり』を読みました。かなり果敢な現代日本語訳だったのですが、現代語で感情移入しながら読める本になっていて、大変心揺さぶられる読書体験になりました。
『とはずがたり』は高校生の時に図書館で読んで以来、妙に記憶に残って(ある意味当然)、時折訳注を借りて走り読みしたりしていたのだけれど、こんな風に初めから終わりまで一気に読むというのは初めてでした。

余りに良かったので、勢いで講談社学術文庫の次田香澄『とはずがたり 全訳注』上下巻を買って読み比べたりとかしています。佐々木氏と次田氏とでは『とはずがたり』や後深草院二条に対する眼差しが少し異なっていて、そのズレも興味深いなあと思ったり……。

ということで、まとまらないけれど感想を書いてみたいと思います。

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