Twitterで『十二国記』を題材に短歌を詠まれる方々がいて、常々素敵だなあと思って鑑賞しています。
短歌を作る人に長年憧れがあるのですが、いつも作っては「これ、私向きの様式じゃないな……」と思って諦める事を繰り返しています。でも鑑賞は楽しくて、いつも「十二国記短歌」のタグを楽しく眺めている。二次創作短歌っていう世界自体、とても興味深いし。
私は自分で短歌を作ることについてはいずさ(仙台弁)を感じてしまう訳ですが、あいださん(@9mor1)という十二国記短歌を折々投稿されている方が「折句どうですか」とおっしゃっていて、折句なら作れそう、と思ってたまに作っています。
折句はあいうえお作文みたいな感じで、五七五七七、それぞれの句の先頭の文字を繋げると一つの言葉になるというもの。二次創作ですから、これを作品のキャラクターとか固有名詞でやってみる、という感じ。私は阿選でしか作っていませんが()色々なフレーズで楽しめる良さがあるなあと思います。
あいださん曰く、折句は呪術っぽいし、折句は愛を捧げる行為、とのこと。作っていると何だか分かるなあと感じます。キャラクターへの愛情と、言葉選びの試行錯誤が噛み合うというか。
以下、備忘録的に作った折句を格納しておきます。たまに増えるかも。
改めて眺めてみると、く、暗い……!
丈阿選(じ/よ/う/あ/せん)
日月は佯狂!と吾をうち嗤ふあれに弓引け戦火もて焼け
じきに来る夜の帳を裏返しあてなく殺す殲滅の夕
忸怩とはよも恥の名と諾はじ壓次せよとは泉下のとよみ
蠮螉のよそへ飛びゆく薄羽見き吾に似よ吾に似よ宣下誰がせむ
自壊せよ夜毎囁く憂き声に愛を知らぬと僭主答へり
純虚数よぎるまぼろし嘘はみなあたたかいよね戦火だからね
自決とは要求することうわべでは——愛憎なのだ煎じ詰めれば
恤せよと善き者ほどにうそぶきて過てる吾を詮議せざりき
人倫を鎧ひし汝を上と呼び「亜」を背負ひたる千秋を思ふ
慈愛てふ斧もて汝を打ち据ゑむ鴉片喫むごと染着せり、我
邪悪すら善きことにみな飢ゑけるもあくがる先に泉路なぞ無し
十悪も宜しく引摂うけたまへあの地獄から遷化せよとて
実を言えば良く分からずに頷いた亜にされること選に漏ること
じわじわと良き国は死ぬ……嘘だ!もう、あいつは居ない!詮索するな!
(友尚)爾後、我等余殃を負へり項垂れてあの歳月に穿鼻し続く
(成行)爾来、我余慶こそあれ怨みなぞあるか抗へ穿踰の者に
丈阿選(ぢ/や/う/あ/せん)
地獄ゆゑ夜光虫のみ蠢けりあの海原は千一夜の苦
濁世へと漸う仇を討ちぬべし哀傷を聞け千古不易の
塵土にて扼殺せらる有縁あり過ちは皆鮮血の色
持戒せよ夜半の煙歌ふとも悪逆の徒の先蹤となる
塵灰は焼ける証と嘯きて悪しき己は詮なし 嗤ふ
直にまた闇が降り来る後ろより非天の道の懺法のため
治す民に野干と呼ばせ打たすともあの怨讐は洗去すべからず
地下人を焼けど焼けども齲歯のごと朝な聞こゆる「僭主お前は」
(成行)諚のまま矢叫びをあげうはぐめる天に弓引く戦士なりけり
定命の病を捨てて羽化せしも亜匹ならずや仙と王とは